ひなまつりは、どうして女の子だけのお祭りなのでしょうか
雛人形がだんだんと、
立派なものとなっていっても、
かつての人間の身代わりとしての「人形(ひとがた)」の意義は、
失われることはありませんでした。
特に、女性が、旅行や嫁入りの道中での災いを人形に代わってもらおうと、抱いて
輿(こし)に乗ることがならわしとなりました。
そのようなことから、公家や武士など上流階級では、婚礼の嫁入り道具なかにひなにんぎょうを
入れるようになったのです。
さらに、女の子がいつの時代にもあこがれる「嫁入り」をまねた人形が作られるようになり、
はじめは、一体だった人形が、男女二体の内裏雛(だいりびな)となっていきました。
一緒に飾られる調度品は、嫁入り道具をまねたミニチュアとなったのです。
そして、江戸時代に五節供のひとつ、五月五日が男の子の節供となったのに対し、
三月三日のひな祭りが女の子の節供と考えられるようになりました。